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1995年度(平成7年度) | 資料集 | 大分県産業科学技術センター

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Academic year: 2018

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(1)

平成7年度 研究報告 大分県産業科学技術センター

横能性押員三部材による弾性材製品の接触変形解析

一成型弾性材製品の形状検査技術の研究〉

大塚裕俊・後藤幸臣。重光和夫・船田 呂 機械電子部

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要旨

ゴム等の成型弾性材製品の形状検査技術において,硬質の押圧部材との接触により形成された接触面パターン を利用して製品形状の検査を行うという新しい検査方法について研究した結果,接触面パターンを効率的に得る ための機能性押圧部材(接触フィルター)を見出だし,検討の結果この検査技術の有効性が確認出来た.また弾 性材製品の全体形状や局所形状と,得られる接触面パターンの相関については数値計算による予削が有効である

と同時に,さまざまなパラメータが関係していることがわかった.

1.ばじめに

自動化技術で用いられる形状検査技術は,一般機械部 品のような剛性が大きくソリッドな製品を対象としてお

り,変形その他の不確実な要素を持っている素材からな る製品について適用することは,必ずしも有効でない場

合が多い.

「変形その他不確実な要素を持っているもの」にはい ろいろな対象物が該当するが.なかでもゴム等の弾性材 製品は,素材自体が柔らかく剛性が小さいため,機械部 品等を対象とした既成の自動化技術の適用を阻む不確定 性を有しており,自動化のための新しい形状検査技術の 開発が必要となっている.

ここでは対象としてゴム状材質の弾性材製品(例:オ イルシール)を取りあi デ,この材質特性を利用した新し い接触による形状検査技術の研究を行った.またあわせ て数値計算による接触時の弾性体の変形予測を実施し, 解析的なアプローチの有効性について検討した.

2.研究内容

従来,弾性材製品の表面形状の検査。計測は,対象と

なる弾性材製品がその材料特性のため外力により容易に 変形し,一般の触針など接触式による計潮方法を適用す ることが難しいことから,レーザ光を用いた非接触の計 測方法などが利用されている.しかし必ずしも合理的な

データ処理用 パソコン CCDカメラ

押正方向

F象9。1 弾性材製品の形状計測 技術の寛施例の磨略図

Fi 9。2 接触フィルターの原理屈

(2)

計測方法とは言いがたいので,弾性材製品の材料特性に 見合った新しい表面形状の計洩り方法が求められている・

そこで本研究では,硬質の押圧部材を対象となる弾性 材製品に押しつけ,その押圧部材の表面上に形成される

弾性材製品との接触部の形状データ(接触面パターン) を利用して変形前の表面形状を評価する− という方法に

について研究を行った.

この新しい計副技術はデ 外力付加による大きな変形に 対して永久変形を残さず元の形が保持できる材質の材料

(例:ゴム材)について適用でき,従来の計測技術に比 較して以下の利点を有する.

(1)3次元データである表面形状データを,単純な原理

により接触面上の2次元データとして処理でき,表面形 状検査に利用することが出来る.

(2)押圧部材と被計測対象の相対的接触による方法であ

り,表面形状を選ぶことがなく汎用性が高い・

2.1「接触フィルター」について

本研究における弾性材製品の形状検査の手法の実施の

概略をFi g.1に示す.

ここに示すような形状検査に利用される押圧部材は, 例えばガラスのような単純な硬質透明材では接触パター

ンだけを光学的に取り出しにくいため,本検査技術の目

的に合った機能をもつ新しい押圧部材が必要となる. 「接触フィルター」とは例えば磨りガラスのように, 透明材製の押圧部材の片側の面を極微小な凹凸による不 透明な面として形成したものであり,Fi g.2に示すような 原理により押圧部材として用いたとき弾性材製品と接触

した部分のみを鮮明なコントラストの高い像として表示 できる機能をもつものである.

接触フィルターの極微小な凹凸による不透明な面を接 触面として弾性材製品の表面に押し付けると,その部分 に親密に接触が生じ,反対側の透明部分から見ると接触 部のみが鮮明な像を呈するようになる.これにより照明 光等の環境条件の影響を受けにくい安定した画像データ を得ることが出来る。(Fi g.4)

2.2 =押圧時の弓撃性村製品の変形解析

本検査手法によれは 弾性材製品の表面形状(3次元

データ)は接触フィルター上に接触面パターンとして2 次元デ綱夕化されて得られる。このとき弾性材製品の押 圧による変形前の表面形状(3次元データ)と材質の物

理的特性,押圧部材の押圧変位量,接触面の摩擦係数, そして形成された接触面パターン(2次元データ)等の

間には物理的原理に従って特有の相関がある.

つまり弾性材製品の表面形状に設計値(基準の面形状)

製品表面の部分欠陥

によるバク。−ンの欠け

弾性材製品

F盲9.3 接触面パターン(円柱形状の張合)

Fi g。4 接触パターン部の例〈オイルシール) (左:接触フィルター 右二板ガラス)

#襟係数 k=≡0.33

F毒g。5 弾性材製品(円形断面)の押圧時の変形

(ま/4モデル)

(3)

平成7年度 研究報告 大分県産業科学技術センター

からのずれや歪みがあれば,それは接触フィルター表面 上に形成される接触面パターンのずれや歪みとして反映 されるから,接触面パターンの形状を調べれば,もとの 弾性材製品の表面形状を評価することができる.これに より全体的な形状欠陥はもちろん,弾性材製品の表面の 欠肉や傷などの局部的な欠陥についても同様に評価する ことが可能となる,

例として円柱形状を有するゴム状の弾性材製品を用い て了 接触フィルタ… による表面形状の検査を行った場合 の例をFi g.3に示す.その表面形状が正しい基準の面形状 をもつ場合には,接触面パターンの形状は押圧変位が小 さい範囲ではFl g.3の左側に示すように近似的な長方形と なる.これに対し押圧変位が同じで製品の表面形状に不 正があり,若干中央部の径が膨らんだ形状であれば,概 略的にFl g.3の右側に示すような接触面パターンが得られ る.また弾性材製品の表面上の欠肉や傷など局部的な欠 陥も図のように局部的な接触面パターンの不正な変化と

して評価することが可能となる.

前記の押庄と接触面パターンの相関関係は実験的に求 めることができるが,有限要素法を用いて解析的に数値 計算により求めることも可能である.接触面パターンの 理論的な解析アプローチを行うことで,接触フィルター を用いた形状検査技術をより一般的な手法とするための 端緒とすることができる.また弾性材製品表面の欠陥パ ターンに対する接触面パターンの理論的なデータベース の構築等が可能となる.

以下に,代表的なゴム状の弾性材製品であるオイルシ

ールに見られるような,単純な円形断面をもつ形状を例 として取りあげ,材料を超弾性体としてモデル化し,上 記の接触フィルターによる形状検査を行ったケースにつ いて,数値計算によって得られた計算結果や実験値との

比較などについて述べる.

なお超弾性体のモデル化にはひずみエネルギ関数モデ ルを用い,その係数は測定により求めた.1)その詳細に ついては付録Aに示す.

3.結果

3.1数値貫十貨結果(2次元モデル)

弾性材製品の断面を円形と仮定し,2次元モデルによ る数値計算結果と実験結果の比較を行った。これは押圧 部材(接触フィルター)により,円形断面に対し押圧量 △ Dを与えた場合をモデル化し,その変形時の全体形状 等について,数値計算結果と実験結果の比較について示

したものである.(F童g.5)

前述したように接触フィルターを用いた検査技術によ

れば,弾性財製品の表面上の欠肉や傷など局部的な欠陥

ゴ 守

Q

鞘 0.6 景

0.1 0.2

押圧比(揮正餐/直径)

Fi 9.7 欠陥部の接触パターンの変化

.....

1

1

t

押圧比=0、2

\・−・

1

1

1

1

・ミ.

Fi g.8 押庄比の変化による欠陥部の形状変化

摩擦係数kの変化による

欠陥部の押庄時の形状変化

Fi 9.9

も接触面パターンの不正な局部的変化として評価。検査

することができる.

また製品表面上の欠肉や傷など局部的な欠陥が,接触 フィルター上にどのような接触面パターンとしてあらわ れるのかを2次元の接触フィルターによる押圧問題とし

てモデル化し,数値計算により評価することを試みた. その結果について以下に示す.(F竜g.6∼F毒g、9)

全体形状の変化については数値計算の結果と実験値は

(4)

よく合致している.また局部欠陥については,押圧比(

押圧量′ ′ ′ /直径)の変化による開口部(キズロ)の縮小変

化は計算と実験とで傾向的に合致している.接触フィル

ターは表面にざらつき(凹凸)があるため摩擦係数は普

通のガラス板よりも大きくなる.いずれについてもひず みエネルギ関数モデルによる数値計算結果が今回の弾性

材料について有効であることがわかる.

またこの結果,欠陥部の接触パターンヘの投影には,

材質,摩擦係数,欠陥部の形状,欠陥部の位置,押圧比

など各種のパラメータが関係していることがわかる.と りわけ摩擦係数については欠陥部の開口部(キズロ)の

パターンの変化に大きく関係するため重要である.これ ら各種パラメータを変化させた計算結果の一部を図に示

す.

接触フィルターの性能に関しては,表面の微小凹凸が 小さい方が得られるパターンの解像度の点からは有利で あるが,摩擦係数が小さくなり表面欠陥のパターンが実 際より縮小するなどの可能性が生ずるため,検査の点か

らは必ずしも有利でないことがわかる。

3.2 数値計算結果(3次元モデル)

次に同様にして,弾性材製品を軸方向に長さをもつ3 次元の円柱形状としてモデル化し,単純な形の表面欠陥 が存在する場合の接触パターンについての計算結果と実

験結果の比較についてFi g.10以下に示す.

これによると,計算結果は押圧比が小さいとき変形に

よる欠陥部の変化の計算結果は実測値より大きくなる傾 向にある.押圧比が大きくなると計算結果は実測値に接 近している.今後他の形状モデルでの検討がさらに必要

であろう.今回の数値計算結果の一部については付録B に示す。

4覇 まとめ

(1)弾性材製品の材料特性を利用して,硬質の押圧部材

をその表面に押し付け,その押圧部材の表面上に形成さ れる接触部の形状データ(接触面パターン)を利用して 弾性材製品の表面形状を検査するという新しい検査技術 について研究を行った.これにより3次元の表面形状デ ータを単純な原理と簡単な設備により接触面上の2次元 データとして取り込み,表面形状の評価・検査を行うこ

とが出来る有効な検査方法を見出した.

(2)上記の接触面パターンを効率的に得るための有効な 機能材として.「接触フィルター」の利用を考案した.

「接触フィルター」は単純な原理によって上記の新しい

弾性材製品の形状検査方法を効率的に実現でき,また周 囲の照明光等の条件によらず,常に安定したコントラス

欠陥都形状の殻触バターンの変化

■ l

l l

11

ヨ.,

>■

l l

l l

計算鐘

◆ 簿庄比10%

▲ 紳庄比25%

H抄・■ q

S.Th■

欠職ヰ疫さ

I .き7嘲

■ ■

昏.Tぬ

● ■ l l l .1

1(−)

Fi g.10 欠陥部の接触バターンの変化

(3次元モデル)

//\ 押圧比=0・25 /′ 、、

F音9。11弾性材製品モデルの変形図

(3次元モデル;欠陥部有)

卜の高い接触面パターンを得ることができる,などの点

で非常に有利である.

(3)弾性材製品の変形シミュレーションを行った結果,

数値計算の結果と実験値は2次元モデルではよく合致し ており,数値計算の有効性が確かめられた.3次元モデ ルでも数値計算は変形と接触パターンの予測に有効であ

る.

(4)欠陥部の接触パターンへの投影には,材質,摩擦係

数,欠陥部の形状,欠陥部の位置,押圧比など各種のパ ラメータが関係する.とりわけ摩擦係数については欠陥 部の開口部(キズロ)のパターンの変化に大きく関係す

る.

本研究は地域人材不足対策技術開発事業での要素技術

研究の一環として行われた.

また本研究に一部利用したCÅD/C摘/CÅEシステムは,日 本自転車振興会の補助を受けて設置したものである.

文献

(5)

平成7年度 研究報告 大分県産業科学技術センター

(付録A)

ひずみエネルギ密度関数について

ひずみもしくは変位テンソルによるスカラ量として, 弾性ポテンシャル関数(ひずみエネルギ密度関数)Wを 定義できる材料を超弾性材(HYPERELASTI C)と呼び,一

般的にWのひずみ成分についての勾酉己がその応力成分と

なる.

W

=Cl 。(I l −3)+Col (Ⅰ2−3)(8)

M

O

O

N

Y−RI VLI N

モデル

W

=Cl 。(I l −3)

(9)

N

EO

−H

O

O

KEAN

モデル

次に対象とする材料について,単軸引張り試験によっ

て材料定数の測定を行う場合について述べる・

すなわち(7)式が次元的に1次元となり,もっとも単純

な条件下で各定数を決定する.

この場合,引張比(引張長さ/初期長さ)をスとする

と他の2方向は非圧縮性仮定によりス ̄1/2となり,(3)

(4)式よりI l ,王2は

I l =ス2+

,Ⅰ2=+2=10)

(1)式は1次元では応力J ,ひずみとによって

針W

8Ei j

け)

応力テンソル

ひずみエネルギ密度関数 ひずみテンソル

Si 〕=

S

W

E

なお変位テンソルCl 」は変形勾配テンソルf =の積で

表される.

Ci j =f ki f k〕=f +f

ここで

(11)

8Ⅹi

8Ⅹj

8 ど

となる.これを引張力T,初期断面積A,スなどによっ てあらわすと と=スー1より

(2、) f ==

Ⅹ亡 .質点の変形前の位置(i 方向)

Ⅹi 〝 変形後の位置(′ ′ )

T

;〉W

A

白ス

(12)

ロ■ =

C〔j による3つのスカラ量(基礎ひずみ変数)を以下 のように仮定する。

I l =Ci i =t r C..対角成分和

王2=((t r C)2−t r C2)/2

宣き=d e t Ci j .行列式値

よって(10)式を(7)(8)(9)などに代入し,入で微分すれ

ばÅ一打関係式が得られる.

本研究では2定数および3定数モデルを用いて,単軸

引張り試験により得られる特性曲線を近似した・

各々の関係式は以下のとおりとなる.

(a)C叫 C。1

(㍍00附−RI VLI Nモデル)

げ=Cl 。(2スー2ス ̄2)十C。1(2−2入 ̄3)

し13、l

(b)C叫 C。1,C20 (3変数モデル)

げ=Cl 。(2スー2Å ̄2)+Col (2−2ス【3)

+C2。(4ス3−12ス十12ス ̄2−8ス ̄ユ+4)

し1十

1

.ノ

3

4

5

−\

′■\

′し、

これによって

W=W(i l ,王2,Ⅰ3) i 、6「、

なおⅠ3は物体の変形前と変形後の体積比の二乗をあら わし,非圧縮性が仮定でき変形前後で体積変化がない場 合,王3=1である.以下‡ き=1を仮定する・(このと

きポアソン比=0。5)

ゴムなどの非圧縮性の超弾性体については,上記Ⅰ㍉ Ⅰ2によるひずみエネルギ密度関数Wとして下記の3次式

が用いられる.

W

=Cl 。(‡

1−3)+Col (Ⅰ2−3)

+Cl l (王1−3)(‡

2−3)+C2。(I l −3)2

† Cさ。(‡ 1−3)a (7)

W

.ひずみエネルギ密度関数

C川、C。1、Cl l 、C2。、Ca。..材料定数

(実験より求める) 上記(7)式の高次項を省いた簡便な形も以下のように用 いられる.

以上の各々についての係数を求めた結果,単軸引張り

試験による実験結果と近似式とを比較したものをF毒g・A− 1に示す.

(付録B)

3次元モデルの数値計算結果の刷

上記についてFi g。B−1に示す.

(6)

Cl O

、CO

l による近似曲線

Cl

O

、CO

l

、C20による近似曲線

2 2.2 ユ 1.2 1.4 1.6 1.8

え(長さ/初期長さ)

2 2.2

1 1.2 1.4 1.6 1.8

え(長さ/初期長さ)

ClO≡=−0.0629COl=0.196;C20=0.019 ClO=0.098;COl==0.0018

Fi 9・A−1 ひずみエネルギ関数による近似曲線

参照

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